2021年1月25日月曜日

Dr.ニャンダの夢日記 解説編(1)

Dr.ニャンダの夢日記 解説編(1) 


気付いた人もいると思いますが、『Dr.ニャンダの夢日記』は、

多元宇宙での、いくつかの世界のそれぞれの世界での話です。 

しかも、話数の順番と時系列の順番は、違います。 


それでは、お皿洗いしましょう!否、おさらいしましょう! 



現在(第6話まで)で、4つのパラレルワールドが存在します。 


(1つめ)第1話⇔第2話の無限ループの世界。 


(2つめ)第1話→第3話のDr.ニャンダが死んじゃう世界。 


(3つめ)第4話(他の世界での第1話より前の時間の話。)の

Dr.ニャンダの不幸な生涯の世界。(ここでは、未来のDr.ニャンダの世界も

あるし、過去のDr.ニャンダの世界もあるかもしれない。しかも、それは無限に…

だから、それらをひっくるめて、3つめの世界とします。 

ちなみに、一番、未来の世界の(一番初め(?)にタイムマシンを造った)

Dr.ニャンダは、貧乏クジです。何も得してませんね。それとも…?) 


(4つめ)第6話→第5話の何でも屋での話の世界。(ちなみに、第6話のラストが

第5話の始めと重なっているので、第5話は第6話の続きでした。) 

(この4つめの世界において、第1話が存在したのか? 

存在したとして、それは、いつ(各話を時系列に並び替えた順番)か? 

は、未だ不明です。) 



と、現在、こうなってます。 


今後の話は、4つめの世界での話か、新しい世界での話という事になるでしょうね!

Dr.ニャンダの夢日記 第6話

第6話「目覚まし時計」 


私は、朝が苦手だ。 

目が覚めても、直ぐに 二度寝してしまう。 

これで、遅刻した事が幾度もある。 

明日は、大事な約束がある。 

遅刻する訳には行かない。 

困ったモノだ。 


いつもの喫茶店で、いつものコーヒー(キリマンジャロ)を飲みながら、

いつもの様に考え事をしていた。 



そして、いつもの様に閃いた! 


何、簡単な事さ。 

目覚ましを直ぐに止めてしまうから、二度寝してしまうのだ。 

だったら、目覚ましを簡単には、止められなくすれば良いのだ! 


良し、善(?)は急げ! 

早速、ラボに戻って、目覚まし時計を造るとしよう! 

その前に、いつもの様に、もう一杯、コーヒーのおかわりを頂いてからにしよう。 



私は、ラボに戻ると、いつもの様に、アッという間に目覚まし時計を完成させた。 



そして、次の日の朝。 


ジリリリリリーッ! 

けたたましい目覚まし音が鳴り響く! 


私は、いつもの様に、無造作に目覚まし時計へと手を伸ばした。 


「?」 


「無い…無いぞ!」 


おかしい。 

あるはずの目覚まし時計がそこに無いのだ。 


ジリリリリリリーッ! 

目覚まし音は、相変わらず鳴り響いている。 


しょうがないので、起きる事にした。(それが目的だろ!) 


すると、目覚まし時計は、元在った枕元から、1m位離れた位置で、

五月蠅く鳴き続けていた。 


私は、目覚まし時計に近付くと、目覚まし時計の頭のスイッチに手を伸ばした。 

その瞬間、目覚まし時計が猛スピードで、それを躱した! 


「にゃんですとォ~!?」 


そうは言った物の、良く考えてみたら、不思議でも何でも無かった。 

何故なら、そのように造りましたから。 



ジリリリリリリーッ! 


あれから、どの位、時間が過ぎただろう。 

私は、まだ目覚まし時計と格闘していた。 


何て素早しっこいヤツだ。 

電池切れを待つか? 

否、コイツには、超小型自己充電システムを組み込んである。 

こうやって動き回っていると電気を喰うが、発電中でも、あるのだ。 

スタミナは、私以上にあると見て間違い無い! 




その日、私は、遅刻した。 

ちゃんと、時間には起きられたのに… 



次の日、私は、とある古ぼけた店にやって来た。 


ここは、『何でも屋』。 

ありとあらゆる物を扱っていると豪語する店だ。 


実は、私は客では無い。 

今日は、私の造った目覚まし時計を売りに来たのだ。 


私は、薄暗い店内に足を踏み入れると、奥のカウンターにいる店主である

仙人の様な老人の元へ向かった。 


「やあ!」 

「おお! 

 これは、Dr.ニャンダ先生。 

 で、今回は何を造ったんだい?」 

「ジャッジャジャ~ン! 

 今回の、ビックリ、ドッキリ、発明品は、コレだッ!」 

「…… 

 目覚まし時計…だよね?」 

「チッチッチッ、 

 コイツは、そんじょそこらの目覚まし時計とは訳が違うよ~。」 



そこへ、一人の男が店に入って来た…

Dr.ニャンダの夢日記 第5話

第5話「死を呼ぶノート」


私は、今、とある古ぼけた店にいる。 


ここは、『何でも屋』。 

ありとあらゆる物を扱っていると豪語する店だ。 

薄暗い店内には、見た事も無いような物や、見るからに怪しい物、 

うさん臭い物などが、目白押しだ。 


実は、私は客では無い。 

今日も、私の発明品を売りに来たのだ。 


店主は、つるピカ禿頭に、長く立派な白い髭を蓄えた、まるで仙人の様な老人で、 

私は、店主と私の発明品の値段の交渉を行っていると、 

一人の男が入って来た。 


年は20代後半~30代前半位だろうか? 

身長は170cm程で、なかなかガッチリした体型だ。 

短髪の髪は、以前、茶髪に染めた跡が見られる。 

長方形の顔は、しかめっ面で、一直線の太い眉毛に、睨む様な小さな瞳、

大きなワシ鼻、 への字口、くるくるほっぺに覆面姿。 

否、くるくるほっぺに覆面姿は、違った。 


男は、真っ直ぐこちらにやって来た。 


「ここは、何でも売ってるんだってな! 

 巷で噂の『死を呼ぶノート』ってのは、あるかい!?」 

男は、流石に無いだろうと、やや挑発的な態度で、大声を張り上げた。 


「あるよ。」 

店主は、素っ気無く返事した。 


男は、暫く鳩が豆鉄砲、喰らった顔をしていたが、 

気を取り直すかの様に、咳払いして、こう言った。 


「本当かッ!いくらだ?」 

「そうよのう、42万円だな。」 

「高いな。」 

「じゃ、売らん。」 

「分かった!42万で買うよ!売ってくれ!」 

店主は、そっと手の平を差し出した。 


「待ってろ!直ぐ用意して来る!」 

男は、言い終わらぬ内に店を飛び出して行った。 


「死を呼ぶノートだって? 

 私はそんなの作って無いぞ? 

 そんな物、どうしたの?」 

「ふぉっふぉっ、ヒミツじゃ。」 

「秘密で良いから、こいつをもう少し高く買ってくれよ。」 

「しょうがないのぅ… 

 これでどうじゃ?」 

「もう一声。」 


そうこうしていると、男が嬉々として戻って来た。 

またも、私と店主の話に割って入る。 

「金だ!ノートを!」 

「これじゃ。 

 使い方は、殺したい相手の顔を思い浮かべながら、 

 そいつの名前をノートに書くんじゃ。 

 そうすれば、数時間以内に、最も自然な形で、そいつが死ぬ。」 

「分かった!ありがとよ!」 


私は、店主に手の平を差し出した。 

「やれやれ。」 

そう言うと、店主は、発明品の代金をくれた。 

良し、良い値で売れた。 


その晩、テレビのニュースを見ていたら、見覚えのある顔が、テレビに映った。 

「あッ!あの時の男だ!」 

どうやら、殺人を犯して捕まったらしい。 


死を呼ぶノート、 

殺したい相手の名前を書くと、 

最も自然な形で、そいつが死ぬ… 


そう、最も自然な形で… 



人を呪わば、穴二つ。

Dr.ニャンダの夢日記 第4話

第4話「タイムマシンのジレンマ EPISODE 3」 


ある日の朝の事。 

私は、ラボの窓から外をそっと覗き込んだ。 

そこには、雲一つ無い青空が広がっている。 

日本晴れであった。 


気分が良いので、 

いつもの喫茶店で、コーヒーを飲みながら考え事でもしようと思い支度を始めた。 

今日のテーマは、『どうしたら、駐車違反を免れるか』だ。 


支度をしていると、部屋の片隅に、大型冷蔵庫程の見慣れぬ機械が、置いてあった。 

「にゃんだコレ?」 

こんな物を作った覚えは無い。昨日は無かった。 

良く見ると、中央に郵便受けの様な部分があり、 

蓋の部分はクリアブラックで、中に手紙の様な物が入っているのが見えた。 


私は、恐る恐る、その手紙を手にした。 


「『どうしたら、駐車違反を免れるか』だと? 

 透明装置なら、止めて置け、ろくな事に為らない。 

 それより、今から、ロットー式宝くじを買いに行け! 

 ○月×日抽選の奴だ。 

 当選番号は、×、×、×、×、×、×だ。 

 一週間後、当たりを確認したら、 

 このタイムマシンで、今日この日の私に、この手紙を送るべし。 

   By 未来の私」 


……… 


暫く、考えると、おもむろに、自称・未来の私の言う、

このタイムマシンを調べ始めた。 


「!!」 


私は、自称・未来の私が、本当に未来の私だと、確信した。 


私は、手紙の通り、行動した。 


一週間後、ロットー式宝くじが、見事、当選し、大金が手に入った。 


私は、未来の私の指示通りに、タイムマシンにあの手紙を戻し、

あの日の私の元へと送った。 

すると、過去に旅立ち、跡形も無く消え去ったはずのタイムマシンが、再び、現れた。 


中の手紙を、取り出してみて、未来の私の意図を理解した。 


これは、更に未来の私から、未来の私となった私に送られたタイムマシンと

未来の情報だったのだ! 


それから、私は、毎週、タイムマシンを過去に送っては、 

未来から送られて来るタイムマシンの中の手紙の指示に従う事を繰り返した。 


私は、アッという間に大金持ちになり、贅の限りを尽くした。 


しかし、その絶頂の日々は、長くは続かなかった…… 


私のウワサを聞きつけた悪党共に、私は命を狙われ出したのだ! 


私は、自宅にありとあらゆるセキュリティを施し、 

シークレット・サービスを何人も雇い、外敵に対抗した。 


私は、命を狙われる恐怖に怯えながらも、未来の私の指示に従い続ける… 



私には、それしか、生きる手段が無いのだから…

Dr.ニャンダの夢日記 第3話

第3話「タイムマシンのジレンマ EPISODE 2」 


私は、今日も、コーヒーを飲んでいた。 

いつもの店で。 


今日は、いつものキリマンジャロでは無く、ブルーマウンテンを飲んでいる。 

気分転換に。 

では無い! 


何故なら、私は、とてもブルーな気持ちなのだ。 

というのも、先日、駐車違反を免れようとして、車を失ったからだ。

(詳細は第1話を読んでね!) 


思いがけない大損害。 


覆水、盆に返らず。 


ブラックで飲むブルーマウンテンの味が心に沁みるぜ… 


マスター、おかわり。 


私は、もう一杯、ブルーマウンテンを飲む事にした。 

もちろん、ブラックで。 


しかし、悔しい。 

何とか為らんモノか? 

すると、どうだ。 

閃いた! 


何、簡単な事さ。 

タイムマシンを作って、あの日へ帰るのだ! 

良し、善(?)は急げ!早速、ラボに戻って、タイムマシンを造るとしよう! 

その前に、もう一杯、コーヒーのおかわりを頂こうか。 

と、普段ならそう来る処なのだが、今は、もうブルーな気分じゃないので、 

「今日は、この辺で勘弁しといてやるぜ!」 

と店を出ようと思ったが、否、待てよ? 


唯、時間を戻すだけでは、何も変わらないのでは? 

否、下手すりゃ、堂々巡りになるかも?(詳細は第2話を読んでね!) 


マスター、やっぱり、おかわりだ。 


今度は、ミルクを、ほんの少し入れた。 

新しく いつものキリマンジャロを注文するのは何故か癪だし、 

かと言って、ブルーな気分じゃないからだ。 


少しマイルドになったブルーマウンテンの温もりが心に安堵の時をもたらす。 


私自身が過去に行くのはどうだ? 


否、それでは、過去の私の未来は変わっても、肝心の私の現実は変わらないのでは? 


にゃんだかんだと考えていたら、閃いた! 


何、簡単な事さ。 

タイムマシンに私の入るスペースを作り、タイムマシン以外の時間を戻すのだ! 

これなら、私は今の記憶を持ったまま過去をやり直せる! 


私は、ラボに戻ると、アッという間に、タイムマシンを完成させた。(はやっ!) 


そして、中に入り、スイッチオン。 

ポチッとな。 


タイムマシンの中のデジタル時計が、どんどん、逆にカウントして行く… 


そして、あの日へと、辿り着いた。 


私は、いつもの店へ行き、いつものコーヒーを飲みながら考えた。 


もちろん、どうしたら、駐車違反を免れるかでは無い。 

タイムマシンの有効利用をだ。 


いつものキリマンジャロが、いつもより、美味しい。 


ほら、閃いた! 

月並みだが、 

ロットー式宝くじの当選番号、競馬の着順番号等の情報を集めて、 

過去に戻り、買い漁るのだ! 


私は、幾度も、それを行った。 


「私はもう知っている。」 

あ~たたたたたたた…、当たった~! 

百発百中だ。 


他にも、失敗したり、嫌な事があれば、タイムマシンにお世話になった。 


私は巨額の富を築き、栄光を欲しいままにした。 

私は、無敵になったのだ! 



数ヶ月が経ち、久し振りに、知人と再会した。 


「あれ? 

 Dr.ニャンダさん、暫く見ない内に、随分、老けちゃいましたね~。」 

「そうかい?」 

「ええ、年上の私の方が若く見えますよ、絶対。」 


更に、数年後… 


Dr.ニャンダ、死亡。 


死因、急激な老化現象による衰弱死。 



「Dr.ニャンダさん、原因不明の病気だったらしいよ。」 

「アレだろ、アレ。 

 急性老化症候群ってヤツ、新病なんだってな。」 

「「コエ~!」」

Dr.ニャンダの夢日記 第2話

第2話「タイムマシンのジレンマ EPISODE 1」 


私は、いつもの店で、コーヒーを飲んでいた。 

都会でも田舎でも無いこの街の駅から10分位歩いた所にある小さな喫茶店だ。 


マスターは、恰幅が良く小太りで、髭を蓄えた優しい顔の寡黙な男で、 

常連だからと言って、特に親しい訳でも無い。 

彼は、この喫茶店のマスター、そして、私は常連客だ。 

それ以下でも、それ以上でも無い。 


彼の淹れるコーヒーは、とびっきり美味い! 

という訳でも無く。かと言って、特に不味い訳でも無い。 

値段も500円と、平凡だが、おかわり自由だ。 

私は、ここへ来ると、必ず2、3杯は飲む。 


今、飲んでいるのは、ブルーマウンテン。 

いつものキリマンジャロでは無い。 

ブルウ、マウン、テェ~ン。 


何故なら、私は、とてもブルーな気持ちなのだ。 


というのも、先日、駐車違反を免れようとして、車を失ったからだ。 

(詳細は第1話を読んでね!) 

あの後は、更に大変だった。 

帰りは、渋々、タクシーさ。 

鉄くずと化したマイカーの、回収も、これまた大変だった。 

思いがけない大損害。 

大人しく駐車料金を払っていれば、こんな事には… 


後悔、先に立たず。 


ブラックで飲むブルーマウンテンの味が心に沁みるぜ… 


マスター、おかわり。 


私は、もう一杯、コーヒーを飲む事にした、ブルーマウンテンを再びブラックで。 



窓の外を、ボー――ッと眺めていると、ふと、閃いた。 


何、簡単な事さ。 

タイムマシンを作って、あの日へ帰るのだ! 

良し、善(?)は急げ! 

早速、ラボに戻って、タイムマシンを造るとしよう! 

その前に、もう一杯、コーヒーのおかわりを頂こうか。 

と、普段ならそう来る処なのだが、 

今は、もうブルーな気分じゃないので、 

「今日は、この辺で勘弁しといてやるぜ!」 


私は、ラボに戻ると、アッという間に、タイムマシンを完成させた。 

(はやっ!) 


そして、スイッチオン。 

ポチッとな。 



タイムマシンが何やら、カタカタと音を出し始めたと思ったら、

目の前が、真っ白になった! 


頭の中も、真っ白になって、意識が、遠のいて行った… 



私は、いつもの店で、コーヒーを飲みながら、

どうしたら、駐車違反を免れるかを考えていた。 



(第1話に戻る。 

そして、第2話に続くのだった。)

Dr.ニャンダの夢日記 第1話

第1話「駐車違反を免れろ」 


駐車違反が、厳しい昨今、何とか、駐車違反のキップを切られない方法は

無いだろうか? 

私は、小さな喫茶店で、ホットコーヒーを飲みながら考えた。 

ちなみに、コーヒーは、キリマンジャロさ、キリマンジャイロ。 

それ以上でもそれ以下でも無い。 

カップを置いて、ゆっくりと目を閉じ、深呼吸する。 

「どーしたモンダロ~? 

 な~に、直ぐに良いアイデアが浮かぶさ。 

 私は、Dr.ニャンダだぞ! 

 私なら出来る! 

 考えろ!考えるんだ!」 

流石は、私、天才・Dr.ニャンダだ。 

早速、閃いた! 

(はやっ!) 


何、簡単な事さ。 

車を透明にしてしまえば、良いのだ! 

良し、善(?)は急げ! 

早速、ラボに戻って、透明装置を造るとしよう! 

その前に、もう一杯、コーヒーのおかわりを頂こうか、

この店、おかわりは無料なんだよね。 


私は、ラボに戻ると、アッという間に、透明装置を完成させた。 

(はやっ!) 


そして、車に取り付け、実験開始。 

ポチッとな。 


おお!何という事だ! 

目の前にあった車が消えてしまったぞ! 

それは、そのように作りましたから。 


では、(有料駐車場しかない)街へ繰り出そう! 

これからは、駐車違反しまくりだぜ! 


私は、道路の隅の適当なトコに車を止め、透明にすると、

行きつけの本屋さんに入った。 

さて、読書の時間だ。 

な~に、時間はたっぷりある。 

何せ、駐車料金を気にしなくても良いんだもんね! 


私は、すっかり読書(立ち読み)にネコ夢中になっていた。 

3冊を読み終え、4冊目に突入した頃だっただろうか? 

外で、ドーン!と物凄い音がした。 

「何だ?事故か? 

 全く、この辺の奴等は、運転が荒いのが、多いからなぁ!」 

私は、そのまま、4冊目を読み進めた。 


ガシャーン! 

「また事故か!」 

6冊目の半分位読んだ頃だったかな? 


ゴン! 

「やれやれやれ、またかよ。今日は事故が多いぜ。」 

7冊目のクライマックスの頃だった。 


8冊を読み終えて、足が棒になったので、もう帰る事にした。 

「今日は、この辺で勘弁しといてやるぜ!」 


確か、この辺りに止めたっけな。 

透明装置、解除。 

こんにちは、マイカー。 


「………」 


そこには、車は無かった。 

鉄の塊なら、あったんだが。 

「ははっ、にゃんだよう? 

 この鉄くずは! 

 何処となく、私の車に似てなくなくなくね?」 


さようなら、マイカー。 


ストップ!迷惑駐車!